« 謹賀新年 | トップページ | 西郷隆盛 その1 »

2018年1月 5日 (金)

外相、“おねだり”報道に不快感

河野太郎外務大臣が、専用のビジネスジェット機を要望したことが、“おねだり”と報道されて、相当に不快を覚えたようだ。それはそうだろうと思う。

 

河野さんが希望したのは、ガルフストリームE650ERのようで、確かにこれはビジネスジェットの高級機だ。この機体は小型ながら “足が長い”、すなわち航続距離が長いという特徴がある。日本からニューヨークまでノンストップで飛べる。速度も通常の商用の民間機、ボーイング777787とほとんど変わらない。
Photo

ビジネスジェットには色々な機種があり、話題になったホンダジェットもその一つだ。ただ、これは小さ過ぎるしそもそも長距離飛行は想定していない。ボンバルディアの機種はビジネス機として大きい割に航続距離が短い。セスナと言えば、小型プロペラ機のイメージだが、セスナサイテーションシリーズとしてターボファン、いわゆる小型ジェット機をズラリと揃えている。

 

ちょい紛らわしいのでここで触れておくと、おおざっぱに言えば、通常に言うジェットエンジン、つまりタービンエンジンでプロペラを回すのがターボプロップ、噴射式で用いるのがターボファンである。だから、プロペラ機だけどエンジンはジェットというのも多くある。キングエアー350などの高級小型機や、商用機のサーブ340B、輸送機C-130など機体が大きいプロペラ機の場合はほとんどがターボプロップだ。国産機YS-11もそうだった。ガルフストリームはターボファンだ。

 

外務大臣が専用機を要望というのは、一般国民からすればとんでもない贅沢をしようとしている感があるが、私の意見とすれば、それは全くそうではない。職務上、外務大臣は相当に海外出張が多い。国会対応があって日本との往復を余儀なくされるため、できるだけ効率的な移動を図りたいというのは当然だ。

 

とある新聞社はセスナサイテーションを専用機として擁している。遠くで災害など、例えば火山噴火、海上での船舶の事故、大火災、大津波など、が発生したら、こういうのを使って写真を撮ってくるわけだ。逆に言えばその程度のことである。こういう所が外務大臣の要望をいかにも贅沢な“おねだり”だというような報道をしている。

 

かのガルフストリームが某地方空港の格納庫に鎮座しているのを見てびっくりしたことがある。機体の登録はアメリカだが、日本の某企業が私用機として使っているらしい。重役の移動はほとんどビジネスジェットという会社もある。どこの誰が使っているのかは知らないが、羽田空港の一角にはビジネス機がずらりと並んでいるのを御存知だろうか。それに、例えば海上保安庁は型式が異なるにせよ、ガルフストリームを保有している。トランプ大統領が保有していたのはボーイング757で、これは小型ビジネス機どころの話ではない。まさに商用機に使われる大きさの機体で、こういうのを私用にしていたわけだからあきれるようなスケールではある。そういうことを考えてみれば、日本の外務大臣にガルフストリームを専用機としてあてがうのは間違ってはいない。

 

日本政府の専用機はボーイング747で、いつも2機体制で飛ぶ。ただ、4発のエンジンではあまりにも燃費が悪く、老朽化もあって、遠くないうちに2発エンジンのボーイング777に変更することが決まっている。それでも、莫大な費用を要し、ガルフストリームなど可愛いものだ。

 

お隣の国が国家間の合意を平気で反故にしようとしている。とんでもない話で、それを突っぱねるのは当然のことだ。歴史を見る限り、国民の悪感情の惹起は、誤った優越感と同様に、憲法がどうのこうのということ以上に平和を損ねてしまう。流暢な英語を操る河野さんだが、憶せず屈せず、かつ破綻も回避しつつと、その職務は大変だろうと思う。外務大臣の主務は、究極のところ、外国との交渉や協調を通じて自国民の平穏と平和を守ることにある。いくら難しい事柄であっても頑張ってもらうほかない。私としては応援したい。

 

今年のNHKの大河ドラマは『西郷(せご)どん』だ。ブームをあてこんでか、書店には西郷隆盛本がズラリと並んでいる。ドラマでどういうふうに描かれるのかは知らないが、彼が“征韓論者”というのは誤りで、この西郷隆盛こそは、明治維新後に悪化した日朝関係の修復に尽力しようとした人だ。次稿は西郷隆盛について触れてみたい。

« 謹賀新年 | トップページ | 西郷隆盛 その1 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事