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2017年10月10日 (火)

感銘深いスピーチ

ネットのニュースは手軽に何が起こっているのかを知るのに便利だが、ここ最近は、大仰な見出しに乏しい内容、広告や有料購読への誘導などなど、いささかウンザリしてきた。YouTubeは面白いし便利だけど、サーフィンをしていたらきりがない。下手をすると知らぬうちに怪しいサイトに誘導されることもあるらしい。ネットはありがたいには違いないけど、何ごともほどほどにせねばならないのだろう。

 

だが、つい最近、ネットニュースと動画の組み合わせで素晴らしい記事を見ることができた。情報源を新聞と書物だけに依っていたのでは、少なくとも、こんなに早く、また、こんなに強烈な印象を持つようなことはまずなかった。

 

それは、「米コロラド州にある空軍士官学校予備校の学生寮で、黒人学生を侮蔑する人種差別的な罵倒が、学生の部屋のドアについた伝言板に書かれた問題を受け、士官学校校長のジェイ・シルベリア中将は928日、士官学校の全校生徒と教職員を集めて、このような振る舞いはまったく受け入れられないと強い調子で話した。」という報道である。イギリスのBBCが報道したことから広がったらしい。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-10002126-bbcv-int

 

彼は差別を厳しく糾弾した上で、「多様性の力があればこそ、我々はその分だけ強くなる」として、「もし誰かの尊厳を尊重し、敬意とともに接することができないなら、(この学校から)出ていきなさい」とのべている。「たとえどんな形でも人を侮辱するような者は、出ていきなさい」「人種が違う、あるいは、肌の色が違う相手を、尊重し敬意をもって接することができないなら、出ていきなさい」と強い口調で語り、そして「我々がみんな一丸となって、道義的な勇気を持てるように」と呼びかけた。
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私の貧弱な英語力では部分的にしか原語としてはとれないが、彼の厳しい表情と字幕からその気迫は十分に伝わってくる。素晴らしいスピーチだと率直に称賛したい。特に意識したわけではないと思うが、「need to get out」と韻を踏んでいる。

 

アメリカの人種差別の歴史は長い。日系人も差別に苦しんできた。原子爆弾という人体実験にも近い日本人大量殺戮をしたのもアメリカである。黒人に対する差別が法の上で解消されたのは1960年代になってからのことだ。今もなお人種差別は根強くある。しかし、シルベリア中将の力強い真摯な言葉に、アメリカの良心を垣間見たような気がする。教材にしてもいいのではないか、そんなことも感じた名スピーチであった。

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