« 植村直己冒険館 | トップページ | 見るのはいいが、入っちゃなんねえ »

2017年7月11日 (火)

お笑い種の“冒険”

あちこちジグザグに走ったり、福島に立ち寄り、また、恒例の北海道でのゴルフに興じたりして、ようやく網走まで着いた。621日に北九州を出発して、710日、宗谷岬で走行距離が丁度5000㎞になった。「思えば遠くに来たもんだ」とも思うが、愛車のスバルインプレッサG4は快調に走ってくれるし、日数をかけて楽しみながら移動している。

 

植村直己の冒険館を再訪したことを書いたが、植村直己はそれだけの能力と気力があったからできたことで、私自身は冒険などできもしないし、する気もない。ところが、桐生を発って新潟を目的地として、足尾銅山、日光、今市、鬼怒川を経由して福島の檜枝岐に抜けたまではよかったが、ナビは会津経由で新潟に行くよう指示していたのに、直線距離はこちらの方が近いと、ナビにさからって奥只見を経由して魚沼に抜ける道を選んだのが大失敗で、お笑い種のささやかな“冒険”になってしまった。

 

檜枝岐(ひのえまた)は、もはや会津とは言えないぐらいの奥地にありながら、尾瀬観光の入り口の一つで、温泉、歌舞伎などで名前をよく聞く有名地なのにまだ行ったことがなく、どんなところか一度行ってみたかった。写真では一部しか見えないが、山奥の狭隘な峡谷のわずかな平地に温泉宿が多くあった。名にしおう豪雪地帯だが、夏場はさぞ賑わうのだろう。
Photo

 

檜枝岐からいわゆる“樹海ライン”に入る。国道352号線である。少々カーブがあっても、いかほどのことがあろうかと。ところが、いかほどのことがあったのである。

 

あとで調べてみて、Wikipediaには次のように記載されている。

新潟県魚沼市から福島県檜枝岐村までは枝折峠奥只見湖沿い、そして県境付近で急カーブの連続した1 - 1.5車線程度の断崖絶壁に沿った狭隘な道が続き、俗に言う「酷道」の1つに挙げられている。

 

確かにその通りで、行けども行けども、果てしなく続く上がったり下がったりのカーブカーブの連続。「この先、カーブがあります」という意味なきナビの声もかすれてしまいそうだ。人の気配も全くない。行きかう車両もなく、道の真ん中に蛇が鎮座したりしていた。「洗い越し」というらしいが、雪の残る沢からの水が道路にそのまま流れ出ているところも多い。スリップして崖に転落したら一巻の終わりで、この時ほどMモードにシフトした4輪駆動の頼もしさを感じたことはない。

 

檜枝岐に戻ろうにも、もはや深入りし過ぎて夕暮れも迫っている。昼食を摂りそこねていたため空腹にも襲われる。もちろん、自動販売機などあろうはずもない。道路脇の標識に「ようきたのし」と方言で書かれているのが、我がバカさ加減を笑われているようであった。魚沼の小出インターまでまだ44㎞もあると知ってウンザリ。闇に包まれたらどうしようかと恐怖すら覚える。
2

ようやくにして奥只見シルバーラインという道に入る。これならもう大丈夫だろうと思いきや、今度はトンネルにつぐトンネル。それでも樹海ラインの最難所はバイパスしてくれているそうだが、ダム建設用だった濡れて暗いトンネルだらけというのは気持ちのいいものではない。最後のトンネルを抜けて、夜のとばりがおりる寸前、ようやくにして大湯温泉という方向指示の看板を見た時は大げさながら、心底ホッとした。福島でこの話をしたら、「えーっ、あそこを通ったんですか。あの道は地元の人は誰も通りませんよ」と。とんだお笑い種であった。

 

我がアホさを取り繕うわけではないが、ひとついい点はあった。それは、奥只見ダム湖である。1分でも惜しい中、どの方向に向いているのか把握する余裕すらなかったが、この美しい景色だけは写真に撮っておこうとシャッターを切った。素晴らしい素材を前にして、写真技術を覚えなければと痛感した。とても一度には書けないが、旅は啓発の連続である。少しずつ紹介していきたい。
1

« 植村直己冒険館 | トップページ | 見るのはいいが、入っちゃなんねえ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事