« 『九十歳。何がめでたい』 | トップページ | サ高住 »

2017年1月18日 (水)

タモリさんのエンターテインメント

タモリという名前は本名の森田一義の姓をもじった芸名だそうだ。今や日本でこの名前を知らない人はいないだろう。総理大臣は知らなくてもタモリは知っているというぐらいの有名人だ。
Yjimage_2
私に関しては、土曜日夜の食後のくつろぎのひととき、丁度ペットのセキセイインコを放鳥して遊ばせてやる時間と重なっていることもあって、「ブラタモリ」をよく見る。“オジサン殺し”の桑子アナが交代して当初は残念に思っていたが、今はあどけない感じの近江アナが華を添え、火山の話や河川の話が多く出てくるし、雑学の泉としてやはり面白い。

 

タモリさんの番組は概して長続きしている。こういうのは、単に人気があるから、では説明がつかない。意図してか意図せずしてか、何か理由があるはずだ。考察というほどの大層な話でもないが、本稿で思うところを気楽に綴ってみる。

 

サングラスは、普通にはあまりいい印象を与えないものだが、タモリさんの場合は小学校3年生の時にケガで右目を失明し、義眼を入れているというのが理由だというのはよく知られていて、すっかり自然に定着している。随分と不自由だったに違いないし、嘆きたくもなっただろうが、そういう言は聞いたことがない。多分にハンディを“受けいれた”強さが芸のベースになっているのだろう。

 

タモリさんの芸はあまり視聴者への“媚び”を感じさせない。自然体のサービス精神で、「こういうことをやってみたい、やってみよう」という気持ちが嵩じたものだと思う。だから見ていて疲れない。

 

デタラメな、それでいていかにもそれらしい4ヶ国語を操る麻雀芸がタモリさんが世に広く知られるきっかけになったようだが、私がそれを初めて見たのは自分も麻雀に熱中していた学生時代なのでもう40年以上も前のことだ。これには笑い転げた。はとバスツアーを日本語以外はこれまたデタラメな7ヶ国語でやるという芸も「徹子の部屋」で披露していて、これがまた面白い。YouTubeで今も色々なバージョンが楽しめる。

https://www.youtube.com/watch?v=5bWPfCzYews

 

こういうのを才能だけで自然体でやるのは絶対に不可能なので、裏に多分に自身も楽しみながらの相当な努力があることは間違いない。それと、視覚障害があるだけに、音をとらえる感性が高いのではないだろうか。

 

音と言えば、熟年には懐かしいかのクレージーキャッツとの共演でトランペットを披露している。芸大卒や屈指のトロンボーン奏者、プロのドラマーといったコメディアンらしからぬクレージーキャッツのメンバーに並んで巧拙はいざ知らずなかなかサマになっている。

https://www.youtube.com/watch?v=eZyecGtUSm0

 

形態模写はイグアナが有名だが、大橋巨泉の物真似もよく特徴をとらえていて面白かった。司会者としても評価が高く、まさに多芸多才を地でいくような人だが、巨泉さんのようにセレブってはいない。上から目線でもない。私もひところ火山に関する書をよく見ていたので、多忙な中でどこでどう知識を仕入れたのか、火山に関して相当に博識であることは確かだと思っている。早稲田大学時代に熱中していたというジャズにも造詣が深いはずだ。

 

そんなタモリさんも、そろそろ身を引くことを考えていると聞く。それはそれで、「長い間お疲れさまでした」なのだが、まだいましばらくテレビにいて欲しいという気持ちもあって、やや複雑な思いにかられる。こういう人をどう表現したらいいのかわからないが、不幸を芸として昇華させた人生の達人、一流の個人であると言っていいのではないだろうか。安部晋三首相との対談では冗談半分で「無形文化財」という話も出たようだが、それもありかも知れない。

https://www.youtube.com/watch?v=oJ7XxmLJeCU

 

でも、個人的にはこの人にはいかめしい肩書も賞典も全く要らないと思っている。息の長さも視聴率においても、彼にかなう人はそうそういまい。何よりの勲章だ。

« 『九十歳。何がめでたい』 | トップページ | サ高住 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事