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2016年8月 1日 (月)

都知事選野次馬の記

一票を投じるぐらいのことはするが、選挙に特段の関わりを持ったことはない。そんな私でも、有力候補と言われていた、小池百合子、増田寛也、鳥越俊太郎の各氏が闘った今回の都知事選挙は面白かった。

 

だが、投票終了と同時に、つまり開票もしていないのに、小池さんの当確が打ち出されたのにはびっくりした。都民ならぬ身にはわからなかったが、そこまで勝負がはっきりしていたということは、小池さんひとりにみんな手もなくやられたということだ。政治家としての力量は知らないが、衆議院議員を辞職し自民党からの除名も覚悟で「私に帰る場所はない。でも目指す所はあります」とやったのはたいしたものではある。
Photo
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B1%A0%E7%99%BE%E5%90%88%E5%AD%90

 

増田氏を応援する元都知事の石原慎太郎氏が、小池百合子さんを「大年増の厚化粧」と揶揄して、これには思わず吹き出す。あの人でなければ悶着を起こしそうな発言ではある。“美人ではあるが”というのが言外にあったような気もするが、伝説の大スターを弟に持ち、御自身も二枚目作家としてならしただけに、その人に言われては小池さんも本当のところは相当頭にきたに違いない。それをサラリと「そういうのには慣れてますから」と受け流したのは流石ではある。その後の演説の際に、「今日は薄化粧できました」と逆ネタにしている。

 

小池さんを支援した鬼の特捜検事だったはずの若狭勝衆議院議員は暴言に悔し涙を流したそうだが、これでは小池さんの方が一枚も二枚も上で、若狭さんはまだまだ青い。ネット記事にも多くあったように、結果、石原さんは小池さんの株をあげたようなものだった。

 

ひきかえ、鳥越さんは週刊誌のスキャンダル記事に、刑事告訴という物騒な手段に出て、印象を悪くしてしまった。「病みあがり」と言われて烈火のごとく怒った点もマイナスだっただろう。普通はそうであっても相手を慮って露骨には言わないけれども、ご自身が多く語っているわけで、いかに筋トレをしようとも、“病みあがり”であることは否定のしようもない。スキャンダルの真偽は私にはわからないが、およそジャーナリズムの世界に生きてきた人ならば、公人になる過程では、あるいはなったらなったで、なおさら色々書かれることぐらい知っているだろうに、と思う。石原慎太郎氏に「売国奴」と誹謗されて「私は日本人だ」という反応も能がない。私は売国奴という言葉は大嫌いだが、そもそもこれは自国の人に対する罵倒だ。

 

かつてジャーナリズムの研究にはまっていた頃、“エロいおっさんが女性をさらってハーレムを作っていた”かのようにこぞってバッシング報道されたいわゆる「イエスの方舟」事件において、事実はそうではないと断固論陣を張った『サンデー毎日』の姿勢は素晴らしいと思っていた。それが鳥越俊太郎さんだと長年思い込んでいたが、どうもおかしいのでもしや思い違いではと確認したら、ジャーナリストとして気骨を示したのは当時の編集長の鳥井守幸氏だった。鳥越さんも関わってはいたのだろうが、姓の頭に同じ鳥があったためか、私の誤認であった。

 

増田寛也さんは、キャリア官僚から岩手県知事、総務大臣などを務めた経歴があり、俗に言えば非常に筋のいい人だが、話題性の多い二人に挟まれてすっかり影が薄くなってしまった印象がある。この人の地方創生に関する著書を書店で手にとってバラパラめくったことがあるが、買うほどのことはないと判断してそのまま書棚に戻した。

 

今回名前を挙げた3人について私は詳しく調べたことはない。したがって床屋談義以上の内容は持ち合わせていない。だから、「野次馬の記」とした。

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