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2016年8月31日 (水)

ビール1本で肺に害?

ネットを見ていたら、11本ぐらいのビールでも肺に害になる、という記事が出ていた。原典は確認していないが、横文字の論文にそんなことが書いてあったということだろう。悪玉とされた一酸化窒素は治療でもてはやされたこともあるぐらいなので、研究するのはよしとして、現実には全く馬鹿げた話だ。ワイン、ビール、ウィスキー、日本酒などなど、アルコール類は世界各地でそれぞれに造られてきた長い歴史を持ち、人々はそれらを飲みそれなりに生きてきた。下手なサイエンスよりそちらの事実の方が重い。

 

昨今は健康志向でサプリメントの売り上げが凄いとのこと。それは個々人好きにすればいいが、“ただ空気を吸って生きているだけでも寿命は縮んでいく”という当たり前のことを今一度認識しておいた方がよいように思っている。健康寿命は誰しも願うことだが、現今の科学ではそれを支えられそうにはない。ビールひとつにも警戒が必要であるかのようなあまりに神経質な健康志向、そしてそのもてはやしには、疑問を覚える。

 

仕事を終えて冷えたビールを一杯、というのを無上の楽しみにしている人はたくさんいる。特に猛暑の今年の夏は一層美味しかったに違いない。人生にはそんなささやかな喜びもある。それをサイエンスもどきで奪い去る必然性はない。
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“美味しかったに違いない”と推測風に書いたが、私自身は酒が全くダメなので、実感はない。よく、「飲んだらどうなるのですか?こんなに美味しいのに不思議ですねぇ」と言われる。いちいち説明するのも面倒臭いが、酒が美味しいと思ったことは一度もなく、ともかく飲むとただただ気分不良に陥ってしまう。度を過ぎれば、といってもビールをコップ1杯ぐらいだが、すぐに真っ赤になって気分不良から動悸、はては呼吸が荒くなり悪心嘔吐でひどい目に遭う。私だって美味しく飲んでみたいし人生を損した気がしてならないが、下戸と呼ばれるそういう体質は間違いなくあって、これはどうにもならない。宴席でもウーロン茶をチビチビ飲むだけだ。

 

池上彰さんも酒が全くダメらしい。だから読み書きの時間があると。それは私にもよくわかる。泉谷しげるさんは酒乱で暴言癖があるかのようなイメージだが、意外なことに下戸だという。舘ひろしさんはダンディな姿でバーのカウンターでブランデーを渋く飲む、というのが目に浮かぶが、実のところは酒が苦手なようだ。小柄で可憐な女性研修医が強い酒をガバガバ飲むのを見て卒倒しそうになったことがある。わからないものだ。

 

飲酒運転は論外にしても、健康や社会生活を極度に害したアルコール耽溺者は世間が思う以上に多く、そうでなくても、酔って転倒してケガ、時に深刻なケガ、をすることが少なくない。医療現場ではそれらを生々しく目の当たりにする。この点、酒好きの人はちょっと頭において欲しい。その上で、適度に酒を楽しむのは全く問題ない。この楽しみはつくづく羨ましいと思う。

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