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2015年12月14日 (月)

違和感

違和感というのは、もっともらしくかつ曖昧なので、実に便利な言葉だ。「ナニイッテンダコノヤロー、ソンナコトデキルワケガナイ」と肚の中で思いながら、「御提案に必ずしも反対というわけではありませんが、実現性についてはいささか違和感がなきにしもあらずというのが率直なところです」というわけのわからぬ語りにも使える。

 

医療では症状の表現でよく用いられる。「喉の違和感」は単なるかぜ症状かも知れないし、狭心症や心筋梗塞の初期のこともある。急性喉頭蓋炎という恐怖の疾患かも知れない。私自身の罹患体験で言えば、尿管結石、帯状疱疹の時は、初発症状はともに「何かヘンだ」という違和感で、そのあと激痛でひどい目に遭った。

 

チョンマゲにスーツと蝶ネクタイ、あるいは、武士の正装たる裃に髪を七三、というのは見たことないが、これはすごい違和感だろう。もっとも、昨今ではコスプレなるものが流行っているようだし、宴会芸などで違和感をネタにしたのもあるかも知れない。もう30年以上も前の大学病院時代、医局の忘年会の幹事をやった際、わざわざステージ付きの会場を探して、歌が滅茶ウマでマイクハナサーズの先輩に、事前に打ち合わせをしてイントロに合わせて颯爽と三度笠スタイルで登場してもらい、橋幸夫の「潮来笠」をビシッと決めてもらった。見事な歌唱にさすがと拍手喝采。でも、それで終わっては面白くないので、打ち合わせでは隠しておいたアンコール。曲は彼の18番の「ダンシングオールナイト」。案の定、自分がどんな姿か知ってか知らずか、振り付け入りでノリノリの大熱唱。これには医局員もゲストも笑い転げた。「おぬしもワルよのう」とはその先輩のキャラをよく知っている同僚の私へのひとこと。

 

それはともかく、何かヘンだ、チグハグ、しっくりこない、などとちょっと負の意味を含んでいながら、露骨な全否定ではないし、使いやすい言葉ではある。上記のように、それを笑いのネタにすることもできる。そこで、写真で語る違和感2題。

 

「獺祭(だっさい)」という大人気の日本酒がある。これを造っているのは旭酒造という山口県岩国市にある会社だ。消滅必至の苦境から、ただひたすらに「美味しい」を求めて色々な創意と工夫で立ち上がり、全国ブランドにしたのだからたいしたものだ。岩国出身ということで、「獺祭」を買ってきてくれとよく頼まれる。当初は安請け合いしたものの、酒店ではなかなか手に入らない。仕方なく、本社の直売店に行くのだが、それでもせいぜい2本ぐらいしか買えない。岩国と言っても市町村の広域合併で非常に広い。下記はグーグルの写真で、中央やや上方に本社がある。かなりの過疎地区で、周りは山ばかりだ。
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増産のため最近に建てられたのが威風堂々の8階建のビル。こんなところにこんなビルを建てずとも、と思ったりもするが、これが見事なアンバランス。意図的か、何らかの事情があったかどうかは知らないが、まさに違和感を画にしている。下記がその写真。
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岩国の中心部への帰途、大きな山賊むすびやうどんが名物の「山賊」というやはり山の中にある人気店の横を通った。いかにもそれらしい古くいかめしい建物も売りだが、そこになんと、メリークリスマスとサンタの看板。フィンランドの山賊ならいざ知らず、日本の山賊がクリスマスを祝うんかい、とチャチャを入れたくなる。あまりにも堂々としているので、多分に12月限定の店主の茶目っ気だろう。ご覧あれ。
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今回は、いや、いつもかも知れないが、毒にも薬にもならない話で失礼。忘年会シーズンに免じて御寛容を。

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