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2015年12月27日 (日)

サラリーマン小唄

何の脈絡もなしにふと大月みやこさんの「サラリーマン小唄」が頭をよぎった。記憶にある人は少数だろうけど、昭和47年発売の昭和レトロ調のサラリーマンの歌だ。
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https://www.youtube.com/watch?v=sJcZ5BIPrfk

小唄自慢は 社長さん ♪  浪花節なら 専務さん ♪

 

今年を振り返ってみれば、社長さんご難というか、スカイマーク、タカタ、大塚家具、はては大企業中の大企業である東芝など、会社のトップは小唄だの浪花節どころではなかっただろう。創業者一族ならわからぬでもないが、元社長の故土光敏夫さんがメザシを好物とする質素なイメージだっただけに、東芝のトップクラスがあんなに高報酬だとは知らなかった。自ら手を染めたかどうかは知らないが、そりゃ責任はあるだろう。これでは社員が気の毒だ。世間は誤解しているようだが、テレビの前で頭を下げるはめになるのは同じでも、大きな病院のトップの報酬はさほどのことはなく、東芝などとはひとケタ以上も違う。

 

この唄は上記を受けて次の一節がある。

 

踊り上手は 課長さん   義理で手拍子 平社員 

 

あんなことになるのなら、適当に手拍子してヒラ社員の方が気楽でいい、という考えもあるかも知れない。事実かどうかは知らないが、課長や部長にもなりたくないという社員が増えていると聞く。そういえば、課長というと、踊りは上手かも知れないが、会社ではさほど大騒ぎするほどの役職ではない。ところが、中央省庁の課長はとんでもなく高い役職で、いわゆるキャリア組がようやくたどりつけるポストだ。動かすお金で言えば社長級だろう。地方に出向すれば副知事クラスだ。これだけ世間と乖離のある中央省庁のああいう欺瞞的な役職名は早くなくしてしまった方がいい。

 

仲人マニアの 常務さん ♪  ゴルフゴルフの 部長さん 

 

というのがあって、今の時代では「大きなお世話」だろうけど、案外、こういう世話好きな人は必要なのかも知れない。婚活という言葉がよく使われているが、これは話のとりまとめ役が少なくなったからではないか。下手な婚活をするぐらいなら、双方のことを知っている人がまずは話をもってきてくれるというのは悪くない気がする。もっとも、今さら私には関係なくて、むしろ終活の方が切実だ。こちらはさすがに頼れる“世話好き”はいない。ゴルフ好きな部長の気持ちはよく分かる。当時はゴルフなどハイソな人限定の遊びだっただろうが、今は安く楽しめるいい時代だ。

 

でかい失敗 しなければ   ながく面倒 みてくれる 

 

という一節もあるが、これはその点で言えば古きよき時代のことで、今は、肩たたき、リストラだの早期退職だのと、業績連携には厳しいものがある。

 

辞令ひとつで 西東 ♪  今日は札幌 明日博多 ♪

 

これは今も昔も宮仕えの宿命だ。私の身内のサラリーマンは、イギリスから中近東に赴任し、ようやく帰国したものの、今度はチリに短期出張だとか。まさかスパイでもあるまいに、何をやっているのか私には未だによく分からない。特に希望したという話は聞いていないのでそういう企業なのだろう。勤務医も多くが大学の医局に所属し、就職の形で赴任する医局関連の病院で給与を得る単なるサラリーマン。だから、本社たる医局の指示で西東、というのはよくある。これが医師がコロコロ変わるという理由のひとつだ。医局は、本人の研鑽やあちこちの病院からのリクエストに応えようとあれこれ人事を考える。医局関連ということが重要で、日赤、済生会、公立病院、民間病院というのはあまり関係ない。これは世間の人がわかりにくいところだろう。そこに悪意はないのだけど、特に、いい医師の場合は患者さんが困惑してしまう。病院も時に苦々しく思う場合もあるが、医局の機嫌を損ねたら大変なので、医局人事は呑まざるを得ない。

春におくれた 花でさえ いつか開いて 実を結ぶ ♪

やる気負けん気 なくさなきゃ きっと花咲く 時がくる ♪

 

これは最後の歌詞で、凡庸と言えば凡庸なのだけど、私はこの一節がお気に入り。面白くないことや落ち込むことは誰にでもあるわけで、そこからどう気持ちが立て直せるか、が重要で、こういうフレーズには励まされる。環境は自由にならずとも、どのように考えるかはその人に100%保証されている。河合栄治郎はこれを内面的自由と呼んでいた。いい言葉だと思う。

 

今年、私に関しては、いいこともあったし、悪いこともあった。12月に、かつて職場で親しくしていた人の訃報に接した時は相当に気が滅入ってしまった。でも、過ぎてしまったことや、どうにもならないことはどうにもならないと割り切るほかない。

 

よくも駄文を書きつらねてきたものだと自嘲気味にならぬでもないが、Drコトーの稿は知人や御本人から少々お褒めに預かり、書いていれば中にはそういうヒットもあると、気をよくしている。読んでもらえたら嬉しいが、媚びたものにする気はなく、読み書き好きの公開日記のようなブログなので、肩肘張らず、来年も書き続けてみたい。タイミング的に今年はこれが締めの稿になる。締めにしてはタイトルからしてお気楽だが、それも御愛嬌。御愛読(?)して下さる皆様に改めて感謝申し上げます。

 

よき年末年始をお迎え下さい

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