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2015年5月29日 (金)

タツゥー

YouTubeで見たのだが、故高倉健さんが映画撮影の地元への返礼として富山刑務所で行ったスピーチで、「自分はたぶん、日本の俳優では一番多く、みなさんのようなユニフォームを着た役をやった俳優だと思っています」と独特の朴訥な語り口で話し、大きな笑いと、なぜか拍手がわきおこっていた。受刑者が着用する衣服、いわゆる囚人服のことをユニフォームだと言ったのだろうが、任侠映画定番の彫り物のスタイル、若かりし頃の健さんはむしろこれが多かったわけで、その意もあったかも知れない。
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もちろん、受刑者がみんな刺青をしているというわけではないし、逆もまたしかり。とはいえ、日本においては、遠山の金さんの時代はいざ知らず、また、芸術としてマニアックに信奉している人達や格闘家はともかくとして、特に胸や背中に派手に入れているのは概して反社会的なその筋の人で、刑務所に入るリスクが高い群であることは確かだろう。

 

もう30年以上も前、『仁義なき戦い』の舞台、広島で救急病院の勤務医をしていた際、全身総刺青の屈強な男性4人に取り囲まれて震えあがったことがある。病院に脅しにきたとかではなく、ただ単にそのうちの一人が腹痛で受診しただけなのだが、平静を装いながらも、脇の下は汗びっしょりであった。刺青をチラつかせて、今晩入院させろと脅されたこともあるし、胸の刺青のところを銃で撃ち抜かれた人の診療に携わったこともある。刺青があろうとなかろうと、傷病者への対応は同じだが、やはり怖い。“職業”がすぐに分かってかえっていいのかも知れないが、ああいう威嚇のパフォーマンスとしての“文化”は勘弁してもらいたいものだ。

 

外国人はファッションや自己主張として気軽に入れたりする人もいるようだ。腕や胸などにバラ模様などをちょこっと入れるのをタツゥーと呼ぶらしく、日本の普通の若者でも入れている人を少なからず見る。反社会的組織とは全く関係ない、あるいは組織と縁を断ったとしても、大小にかかわらず、それらがあるとどうしても奇異な眼で見られる。肝炎のリスクもありMRI 検査も受けにくくなるし、サウナなど多くが入浴お断りと掲示されているのでさぞ不便だろうと思う。それを承知でということかも知れないが、一度入れてしまったら取るのが非常にやっかいだということは知っておく必要があるだろう。

 

かつて、麻酔科医として刺青取りの手術には何度も関わった。直接に見たり、形成外科の医師から話を聞いたりして、全く跡形もなく取り去るのは不可能だということを知った。しかも、病気ではないので、手術は保険診療ではできず、大きいものであれば何度かに分けてやるので、総計数百万円の費用がかかる。そうまでして除去したい気持ちには同情を覚えたものだが、取り返しはつかない。昨今、市井の美容外科が刺青除去手術を多く手がけ、トラブルも少なくないと聞く。委細は知らないが、それはそうだろうと思う。もとの皮膚のように戻すことはできないので、期待と結果に乖離がどうしても出てしまう。注入した色素は思う以上に皮膚に深く入っていて、レーザーでそうそう簡単に取れるようなものではない。皮膚を削ってその上に他の部位から採皮したものを移植したりもするのだが、完全に除去するのは難しく、皮膚もゴツゴツした火傷の痕のようになってしまう。

 

いずれにしても、刺青など、スクリーンの中で見るにとどめた方がよい。冒頭の高倉健さんは、スピーチを「一日も早くあなたにとって大切な人のところへ帰ってあげて下さい。心から祈っています」と結んでいた。

 

実は、火山の噴火についてあれこれ見ていて、書いてみようと知識の整理に手間取っているところに、口永良部島の噴火のニュースが飛び込んできた。沖縄への行き来の飛行機の上から何度も見て、ああいうところにもすごい火山があるのだなぁと思っていた。最小の被害での収束を願いつつ、情報入手に努め、改めてテーマとして取り上げてみたい。
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