« 『そうだったのか! 朝鮮半島』 | トップページ | 宇宙のかなたのヒミコ »

2015年3月11日 (水)

あの日から4年

2011311日からもう4年が経つ。地震、津波、原発事故が同時に日本を襲った悲劇は語り尽くせない。写真は被災後に訪れた福島県浜通りの新地駅の様子で、転覆した車両や無残に破壊された駅の様子に言葉を失った。たまたま乗り合わせていた警察官の咄嗟の機転の高台への避難指示により奇跡的に乗客の死傷者がいなかったと聞く。この点は本当によかった。

Photo

東日本大震災に関してはかなり多くの報道や書物に目を通したつもりだが、既に多くの報道がなされていることでもあり、直接の被災者ではない私があえてここで語る必要はないだろう。改めて被災者の皆様に哀悼とお見舞いを申しあげておくに止めたい。それで、せめてもと、災害関連で2点紹介しておきたい。

 

歴史地震研究会というのがあり、この会の趣旨は「歴史地震研究会は,歴史時代に起きた地震(歴史地震)とそれに関連する諸現象の研究情報の交換を目的として,理学・工学・歴史学・社会学・防災科学などの各方面から研究者,防災行政・事業の実務担当者,郷土史家,報道関係者などが参加して結成された会です」となっている。さまざまな分野からの参集も高く評価できるが、この会が特に素晴らしいと思うのは、その学術誌の2002年以降の論文や講演要旨を公開しているので、会員でなくても読むことができるという点だ。私も相当に読んだつもりだが、何せ膨大な量の学術的文章なので、すっと理解できないところもあり、全てに目を通すことはちょっと大変ではある。それでも、実際に起こったことが中心なので、内容に迫力がある。どのような財務で運営されているのかは知らないが、こういう趣旨の会は大いに公的支援があっていいような気がする。後述の磯田道史氏も会に参加している。それにしても、日本は地震大国だとつくづく思う。

http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/

 

『天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災』(磯田道史 中公新書)の著者は『武士の家計簿』を書いた人だ。ちょっと意外な感がするが、読んでみて、母方の家系が日本有数の津波常襲地である徳島県牟岐町ということもあって、もともと災害に関心があったようだ。歴史研究とあわせ、「地震や津波ではなく、人間を主人公として書かれた防災史の書物」として本書を著している。確かに、人間を中心とした災害史が語られているので非常に読みやすい。胸を打つような悲劇的なエピソードも折り込まれている。現在、南海トラフによる地震と津波が危惧されているが、高知や徳島は過去に何度も津波に襲われており、その詳細について人間を中心に記されているだけあって、実感をもって本書で知ることができた。台風とあいまった高潮の怖さも教えてくれる。お勧めの好著だ。

 

起こらないことを祈ってはいるが、残念ながら、地震であれ津波であれ、火山の噴火であれ、天災は、そして人工物による人災も、いずれ必ずやってくる。被害をゼロにすることはできないので、被害を少しでも少なくする「減災」が今後の大きな鍵になるだろう。先にあげた会のように、各専門領域の壁を取り払って横の連携での英知を結集していくことをもっともっと推進していければと願っている。少なくとも津波が実際に起こった時には専門家ならではの難しい理屈は要らない、「津波てんでんこ」とも表現されているように、個々人で、あるいは災害弱者を支えながら、とにかく高台への避難が最優先なのだから。

« 『そうだったのか! 朝鮮半島』 | トップページ | 宇宙のかなたのヒミコ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事