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2014年9月11日 (木)

スーパームーン

 

名月をとってくれろと泣く子かな 小林一茶

 

名月や池をめぐりて夜もすがら 松尾芭蕉

 

雲がいそいでよい月にする 種田山頭火

 

『金色夜叉』の熱海の海岸を背景にしたかの有名な、「今月今夜のこの月を」という少々大仰なセリフも月がよく効いている。三谷幸喜さんの映画『素敵な金縛り』は話題作となり大ヒットしたが、副題は「Once in a Blue Moon」で、月を小道具に使って生死の境界をとっぱらって遊んだような作品だ。

 

私など、ほんの一部すらも知らないぐらいのものだが、暦は言うに及ばず、文学、絵画、音楽、映画などなど、古今東西、月にゆかりのある作品や言葉はまさに膨大だ。豊作の月への祈願なのか、祖母の田舎ではすすきで飾って月に団子を供えるという風習もあった。

 

宇宙飛行士が月に着陸して岩石を持ち帰って分析したというのは科学としては称賛すべきものだろうが、古代より人間が抱いていた幻想とかロマンという点ではいささか興ざめではある。もっとも、『宇宙論と神』(池内了 集英社新書)によれば、月までの距離は紀元前にヒッパルコスというギリシャの天文学者が測定し、地球の半径の59倍(実際は約60倍)と、相当に正確な算定をしていたという。目の前の天空に大きくポッカリ浮かんで満月になったり三日月になったりしているのだから、あれに知的好奇心を持つなと言う方が人間の習性からして無理と言うものであろう。

 

1_399日は、「2_6地球と月と太陽が直線上に並び、月が地球に最も接近した状態だったそうで、こういうのをスーパームーンと言うらしい。雨が続いて空が澄んでいたせいもあるのだろう、住んでいるマンションのベランダから、まんまるの月が黄土色に輝いていた。この壮大なライトアップはまさに絶妙で、人智の及ぶところではない。こんな感じだったというだけのことだが、自分が撮った下手な写真と拝借した写真をアップ。




金子みすゞは、それをして、

 

月はいきするたびごとに
あのやはらかな、なつかしい
月のひかりを吐くのです。

 

と詩っている。ここのところ、何億光年先の銀河がどうのこうのというのばかり読んでいたが、光だとわずか1.3秒で着く距離にこんな星がある地球は、やはり奇跡の場所だと思える。

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