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2014年8月13日 (水)

帯状疱疹

帯状疱疹は、子供の頃に罹患して体の中に潜んでいた水ぼうそうのウィルスが再び活動して発症すると言われている。発症のメカニズムについてはまだよくわかっていないが、ありふれた疾患で、特に高齢者に多い。症状は罹患した神経領域の水泡形成の赤黒い皮疹と痛みである。皮疹は12週間程度で痂庇、いわゆる「かさぶた」となって若干の瘢痕を残して治癒するが、典型的には焼きごてをあてられたかのような強い痛みが起こり、時に痛みで夜も眠れない。皮疹だけではその痛みはなかなか他者に理解されず、患者の病悩を増す要因ともなる。ただし、皮膚の違和感やいかにも蟻が這っているようなチクチク感程度で済むこともある。早期であれば抗ウィルス薬が奏功するとも言われるが、短期にスパッと軽快させる特効薬はなく、鎮痛薬、時に神経ブロックなどでの痛みの軽減が主である。皮疹が治癒した後も痛みが頑固に残る場合があり、これを帯状疱疹後神経痛といい、特に1年たってもまだ痛みがあるような場合は難治性で患者も医師も泣かされる。

 神経は、胸であれば左右12対あり、それぞれ第2とか3とかの胸神経と呼ばれている。腰神経は5対だ。どこの部位がどの神経の担当かが大体決まっている。顔の知覚は三叉神経で、左右それぞれに第1枝、第2枝、第3枝がある。帯状疱疹はこれらのどこにでも起こるが、不思議なことに、左右どちらかの1つもしくは2つ程度の神経に限定されるのが一般的である。いわばウィルスが一部の神経にとりついて障害したり刺激したり皮疹を作ったりするわけだ。腫脹を伴うこともあり、幽霊の“お岩さん”は三叉神経第1枝の帯状疱疹ではないかと思われる。図は皮膚の神経支配を示したものである。

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下に典型的な皮疹を示す。

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患者の写真を出すと、勝手に出していいのかと言われそうだが、もちろん了承は得ている。というか、実のところ、これは私自身のものである。右の大腿部のビリビリするような違和感(知覚過敏兼知覚鈍麻)で発症し、そのうち、締め付けられるような痛みで歩行すらままならない状態となった。一体これはどうしたことかと思っているうちに、右下腿に発疹が出現して第3腰神経領域の帯状疱疹だというのがはっきりした。このように、痛みが先行して当初はわからない場合もある。自ら罹患して、この疾患がいかなるものかというのを体で思い知った。

これで高齢者の仲間入りかと思えば少々情けない気もするが、同病の人は間違いなく非常に多くいるので、これはこれで仕方がない。三叉神経領域、すなわち顔面は非常に煩わしく、そうでなくてよかったとは思うが、また脛に傷を負ってしまった。

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